今回の公開勉強会のアテンダーを務めた小坂(ろう者)です。2017年最初の勉強会はアテンダー含めて9名の参加者(全員会員)でした。遠くは島根県からいらっしゃいました。
パターナリズムと精神疾患についての勉強会でしたが、まず軽く自己紹介を済ませ、現在おかれている立場についてそれぞれ話してもらいました。実はパターナリズムというのはおかれている立場によっては起こりやすさ、起こりにくさがあるものです。夫婦は平等だといっても婿養子だったり、夫が聴者で妻がろう者だったりすると、パターナリズムが起こる可能性はぐんと高まります。そういう事を専門的な内容を踏まえながら学習していきました。
アテンダーは口話教育を受けており、さまざまなパターナリズムを実際に経験してきています。聴者の中で育ったろう者は、「情報を伝えなければ・・」という雰囲気を作ってしまうことに抵抗を持つことも少なくありません。逆に、聴者をろう者のコミュニティに連れて行くとどうなるかというと、その場限りで手話が分からない状況が永遠に続くわけではありません。マジョリティとマイノリティの違いが力関係の位置関係を決定する大きなポイントとなります。
心理カウンセリングや精神医療におけるパターナリズムが聴覚障害者(児)の精神疾患をさらに悪化させる可能性も否定できません。合理的な配慮をかんがえつつ、ひとり一人の特徴やコミュニケーション手段を見極めながら適切なアプローチ法をディスカッションしていく場も必要になってきます。